評価
★★★☆☆
紹介タグ
ファンタジー、ヒロインが積極的、3人以上のヒロイン、微性的な愛、異世界転移もの、バトル要素あり、シリアス、プラトニックな愛
公式内容紹介
個人的レビュー
現代で秘匿された魔術を身につけた“魔術師”である主人公が、魔法と剣のファンタジー世界へ異世界転移されたにもかかわらず、異世界魔法のレベルが低かったために無双してしまうお話。いわゆる俺TUEEEEものです。「異世界+主人公無双」は小説家になろう発のラノベだと鉄板ですね。というか、あまりそれ以外の作品を見たことない気が……。
まあ、それはともかく、本作は主人公らしき人物が2人いるのが特徴というか面白い点でしょうか。勇者として異世界に呼び出された主人公の友人と、勇者の異世界転移に巻き込まれただけの主人公。この2人の間で目まぐるしく視点が変わっていきます。
基本的には主人公視点なのですが、主人公以外の視点でも作品が楽しめるのは面白い点ですね。ストーリーも1巻だけは若干メタな話を交えつつも、王道ファンタジーものという点で安心して読める雰囲気です。
ただ、いかんせん設定が分かり辛い。現代魔術について作中で主人公が色々と解説してくれるのですが、私は基本的に雰囲気で読んでいます。“さすおに”で有名になった『魔法科高校の劣等生』の設定を思い出すレベルの設定の複雑さ。私は何度か読んでみましたが、正直よく理屈が分かりませんでした。まあ、多少向き不向きはあるかもしれません。
あと、Amazonのレビューなどでも言われていますが、1巻での主人公の性格が前半と後半で全く違います。前半はお調子者で無鉄砲な主人公っぽいのに、後半は理知的で皮肉屋な印象。2,3,4巻と巻数が進むにつれて、段々と後半の印象が強くなるので、小説家になろうに最初に投稿した時には、まだキャラが固まっていなかったのかもしれません。
そして、ハーレムものとしての評価としては、ヒロインが可愛らしいのが良い点です。どのヒロインも魅力的ですね。ただ、もともとはファンタジーものなので、ハーレム要素やイチャイチャ要素は薄め。ファンタジーストーリーの中でヒロインたちからの好意を若干感じられるという程度。
1巻時点のヒロインで1人目、2巻時点で2人目、3・4巻時点で3人目の登場というスピードからも、ハーレム要素よりはファンタジー中心なことがうかがえます。
個人的には、完成度の高いハーレムファンタジーが読みたいという方より、設定が凝った作品を読みたい「設定厨」の方、あるいはちょっと変わったファンタジーが読みたい方にお勧め。異世界転移もののなかでは、少し変わっているので、そういった方は面白く読めるかと思います。
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